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弾性のあるキャスター・車輪の素材

まずは弾性のある素材をご紹介いたします。弾性というのは、ある素材に外力を加え、その外力を取り除いた際、どれくらい元に戻ろうとするかを示す性質です。

・ゴム

非常に弾性の高い素材です。外力が加わった場合でも、瞬時に元に戻ろうとする性質があります。キャスターの車輪に使用した場合は、移動の際にスムーズな印象を与えます。

ただし、薬品に対して素材が変質したり、床に擦れた際に汚れが付着したりすることがあります。使用する用途や環境に応じて、薬品に強いゴムが使用されているキャスターを選ぶとよいでしょう。

・ウレタン

正式にはポリウレタン。キャスターの車輪に使用しているウレタンは、自動車のタイヤや靴底などにも使用するエラストマーとよばれているものもあります。反発弾性があり、耐摩耗性や耐油性にも優れています。

ただし、湿度の高い環境での使用には向いていません。水や紫外線などと反応し、分解される性質があるためです。

・シリコンゴム

ゴムの一種ともいえますが、ケイ石とよばれる石を主原料とする合成樹脂のことです。弾性に優れているほか、耐摩耗性やはっ水性、耐熱性にも優れています。キャスターの車輪に使用している場合は、移動時の騒音が少なく床を汚したり傷つけたりしにくいという特徴があります。

剛性のあるキャスター車輪の素材

次に、剛性のある素材についてです。剛性は、外力を加えた際に元の形状をどれだけ維持し続けられるか、という性質を示しています。

・ナイロン

耐摩耗性や剛性に優れていますが、ゴムのような弾性はありません。キャスターの車輪に使用する場合は、床面の僅かな段差でも騒音や振動が発生することがあります。

ただし、非常に硬い素材なのでキャスターの始動性に優れ、大きさや重量のある物でも移動させやすいという特徴があります。

・鋳物

歯車や軸受け、自動車のブレーキシューなどにも使用されている素材です。熱に非常に強く、強い衝撃があっても問題にならない程度の剛性があります。

古くから車輪に使用されてきた素材ですが、ナイロンに代用されるケースが多くなりました。現在では、高熱の炉内で使用するキャスターなど、特殊な用途で使用されています。

・フェノール樹脂

剛性に優れているとともに耐熱性や耐溶剤性にも優れています。幅広い用途のキャスターに使用できる素材ですが、ナイロンに代用されることが多いです。始動性や耐摩耗性はナイロンの方が優れており、フェノール樹脂を採用するメリットが少なくなっているためです。

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